地図が読めない子のための「位置→地形→気候→産業」のつなげ方

社会全体のつまずきを整理したい場合は、悩み別の一覧も参考にできます。
統計地図の読み方
位置→地形→気候→産業
都道府県ごとの商店の数を地図に示すとき|地図と資料をつなげて考える方法
都道府県ごとの商店の数を地図に示すときは、まず「数そのものを比べたいのか」「多い少ないの分布を見たいのか」「割合を比べたいのか」を確認します。地理で大切なのは、単に地名を覚えることではなく、地図・統計・理由をつなげて説明できることです。
地理の学習
- ・商店の数を地図で示すときの考え方
- ・数、割合、分布の違い
- ・雨温図・地形図・統計表・統計地図の見方
- ・週2回15分の家庭学習の進め方
地理は「場所を暗記する科目」と思われがちですが、入試や塾の資料問題では「なぜそうなるのか」という理由を問われます。商店の数のような統計資料も、数字だけを見て終わりではありません。どの都道府県で多いのか、どの地域に集まりやすいのか、その理由を人口・都市・交通などと結びつけて考える必要があります。
- ・商店の数を地図に示すときの見方
- ・数そのもの、割合、分布の違い
- ・雨温図・地形図・統計表・統計地図の読み解き
- ・家庭で続けやすい学習メニュー(週2回15分)
都道府県ごとの商店の数を地図に示すときは、何を見るのか
都道府県ごとの商店の数を地図に示すときは、都道府県ごとの多い少ないが比べやすい表し方を選びます。ただし、何を見たいかによって向いている表し方は変わります。
- 都道府県ごとの多い少ないを比べるなら:数の多さをいくつかの段階に分け、色の濃さで表す方法
- 数の大きさを目立たせたいなら:円や棒など、記号の大きさで示す表し方
- 店の集まり方を見たいなら:点や記号で分布を示す表し方
- 人口あたりなどを比べるなら:割合を示す地図として読む
注意:「商店の合計数」と「人口あたりの商店数」「面積あたりの商店数」は、読み取る意味が違います。
合計数は商店の多さそのものを見ますが、人口あたり・面積あたりは割合や密度を見る資料です。問題文や凡例に書かれた単位を必ず確認しましょう。
つまり、地図の名前を丸暗記するよりも、「この資料は数・割合・分布のどれを見せたいのか」を判断することが大切です。
商店の合計数を比べる
都道府県ごとの商店数を比べるときは、数が多い県・少ない県の差を見ます。人口が多い地域や都市部との関係を考えると、理由を説明しやすくなります。
人口あたり・面積あたりを見る
「商店の数」と「人口あたりの商店数」は意味が違います。数が多い県と、割合が高い県が同じとは限らないため、単位の確認が大切です。
どこに集まるかを見る
点や記号で表された地図では、商店がどの地域に集まりやすいかを見ます。都道府県名だけでなく、都市・交通・人の集まり方とつなげます。
商店の数は、なぜ人口・都市・交通と関係するのか
商店は、人が買い物をする場所に多くなりやすいものです。そのため、人口が多い都道府県、都市部を含む地域、駅周辺や交通の結節点など、人の流れが多い場所と結びつけて考えます。
農業の資料なら地形や気候、工業の資料なら原料・交通・工業地帯などを見ることが多くなります。商店の数を読むときは、まず人が集まる場所かどうかを考えると、理由を説明しやすくなります。
| 地図で表したいこと | 向いている表し方 | 見るポイント | 間違えやすい点 |
|---|---|---|---|
| 都道府県ごとの数を比べる | 数の多さを段階に分け、色の濃さで表す方法 | どの県が多いか、少ないか | 色だけ見て、単位や凡例を見落とす |
| 数の大きさを目立たせる | 円や棒など、記号の大きさで示す表し方 | 記号が大きい地域と小さい地域 | 面積が広い県ほど多いと決めつける |
| 分布のまとまりを見る | 点や記号を地図上に置く表し方 | どの地域に集中しているか | 点の位置だけを見て、理由を考えない |
| 人口あたりなどの割合を見る | 割合を段階に分け、色や記号で示す表し方 | 数ではなく比率の高低 | 合計数と割合を混同する |
中学受験の資料問題での考え方:「どんな地図が適しているか」と聞かれたら、まず「商店の数そのものを比べるのか」「人口あたりなどの割合を見るのか」「分布を見たいのか」を確認します。そのうえで、凡例・単位・色や記号の意味を読んで判断しましょう。
商店の数から、地理全体の見方につなげる
商店の数を読む問題は、統計地図の読み方を学ぶ入口になります。地図上の色や記号を見て終わるのではなく、地域の特徴とつなげて説明することが大切です。
これは、地形・気候・産業の問題でも同じです。資料ごとに「何を理由にして考えるか」を分けておくと、初めて見る資料でも判断しやすくなります。
人口・都市・人の流れ
商店の数や商業の資料では、人が集まる場所、都市部、交通の便利さを手がかりにします。
平野・川・気候
農業の資料では、土地の広がり、水の利用、気温や降水量などを手がかりにします。
交通・港・工業地帯
工業の資料では、原料や製品を運びやすい場所、港、工業地帯との関係を考えます。
共通する考え方:統計地図でも、雨温図でも、地形図でも、最初に「何を表している資料か」を確認し、次に「なぜその地域で多いのか、少ないのか」を説明する流れを作りましょう。
雨温図・地形図・統計表・統計地図の違い
地理の資料問題では、資料の種類によって最初に見る場所が変わります。すべてを同じように読もうとすると時間がかかるため、資料ごとの役割を分けておきましょう。
| 資料の種類 | 読み取ること | 最初に見るポイント |
|---|---|---|
| 雨温図 | 気温と降水量から気候を読む | 気温の高低、雨の多い月、冬の降水量 |
| 地形図 | 土地の高さ、川、道路、集落などを読む | 等高線、川の流れ、道路や集落の位置 |
| 統計表 | 数量や割合を数字で比べる | 単位、年度、合計数か割合か |
| 統計地図 | 数量や割合を地図上で比べる | タイトル、凡例、色や記号の意味 |
資料問題の基本:「何を表している資料か」を最初に確認すると、読み取りの方向が決まります。商店の数の地図なら、まずタイトル・単位・凡例を見て、数なのか割合なのかを区別します。
まず状況整理|どこでつまずいているかチェック
- ・都道府県名は言えるが、地図上で指し示せない
- ・地方ごとのまとまりで捉えられていない
- ・海沿いか内陸かがパッと出てこない
- ・凡例や単位を見ずに、色や数字だけで判断してしまう
- ・数と割合を混同してしまう
- ・地図と統計をどう結びつけるか分からない
判断のポイント:位置があやふやなまま資料だけ読もうとしても、選択肢を根拠に基づいて選ぶことができません。まず「地方」「都道府県」「都市部かどうか」「海沿い・内陸」などで見当をつけ、資料の数値と結びつけて考えます。
原因の切り分け|よくある3つの傾向
単発の暗記
位置だけ覚えて満足してしまう
位置が理由と結びついていないと、資料問題で「推測して絞り込む」ことができず、ミスを招きます。
順序のズレ
気候や産業を先に暗記している
根拠が曖昧なため、同じような特徴を持つ別の地域と混同し、判断に悩みが生じます。
資料への苦手意識
資料のすべてを読もうとする
処理に時間がかかりすぎてしまい、重要な条件を見落とす原因になります。解く流れを身につけましょう。
改善へのステップ|今日/今週/今月
10分
大まかな目星をつける
- ・地方から代表的な県を3つ言ってみる
- ・人口が多い都市部を含む県を確認する
- ・海沿いか内陸かを判別する
週2回
資料と地域をつなげる
- ・統計地図のタイトルと凡例を読む
- ・数なのか割合なのかを確認する
- ・多い地域の共通点を一言で説明する
実践
実際の資料で確かめる
- ・地図、雨温図、統計表を組み合わせて解く
- ・地形や気候の特徴から産業を選ぶ
- ・理由を一文で説明する練習をする
都道府県
人口・都市
凡例
数と割合
産業の特徴
ここがポイント:ただ県名を当てる練習よりも、資料を見て「なぜこの地域で多いのか」を説明する練習を優先しましょう。
資料問題の解き方の流れ|どんな問題でも迷いにくい工夫
資料の種類を見極める
雨温図、地形図、統計表、統計地図。種類によって注目すべき場所が決まります。
タイトル・単位・凡例を確認する
商店の数なのか、人口あたりの割合なのか。数字の印象だけで判断するのを防ぎます。
多い地域と少ない地域を比べる
いきなり細かい地名を探さず、まずは大きな地域差を見ます。
人口・都市・交通などと結びつける
商店の数なら、人が集まる場所や交通が便利な場所との関係を考えます。
条件を正確に読み、選択肢を絞る
「最も」「すべて」「~でない」に注目。不適合なものを消していきます。
商店の数を示した地図を読むとき
- 地図のタイトルを見て、何の数を表しているか確認する
- 凡例を見て、色や記号が何を表すのか確認する
- 都道府県ごとの多い少ないを比べる
- 多い地域が都市部や人口の多い地域と重なるか考える
- 「なぜ多いのか」を一文で説明する
たとえば、商店の数が多い地域を考えるときは、人口が多い地域、人が集まりやすい都市部、交通が便利な地域などと関連づけて考えると、資料の読み取りが説明につながります。
中学受験や塾の問題で聞かれやすい形
- ・この地図から読み取れることとして正しいものを選びなさい。
- ・商店の数が多い都道府県に共通する特徴を答えなさい。
- ・資料を見て、商店の数が多い理由を説明しなさい。
- ・地図と統計表を見て、あてはまる都道府県を選びなさい。
地理分野全体の優先順位や学習の組み立てを見直したい場合は、こちらも参考になります。
地図が読めない子向けのミニ練習|対策をそのまま試す
地図が読めない状態は、知識不足だけでなく、どこから見ればよいかが決まっていないことで起こりやすくなります。次の問題で、資料から理由につなげる練習をしてみてください。
| 問 | 条件 | 考えること |
|---|---|---|
| 1 | 都道府県ごとの商店の数を地図で比べる。 | 数なのか割合なのか、凡例は何を示すのかを確認する。 |
| 2 | 日本海側の地域で、冬に雪が多い。 | どの海側か、なぜ雪が多いかを言う。 |
| 3 | 広い平野があり、川のまわりに田畑が広がっている。 | どんな農業につながりやすいかを言う。 |
| 4 | 山に囲まれた内陸の盆地で、夏と冬の気温差が大きい。 | 気候の特徴と、考えられる産業を一つ挙げる。 |
答え方の確認
1 商店の数を示す地図では、まずタイトル・単位・凡例を確認します。数が多い地域は、人口や都市の広がり、人が集まる場所と結びつけて考えます。
2 日本海側は、季節風の影響で冬に雪が多くなりやすいです。
3 平野と川は、水を使う米づくりや広い耕地を使う農業につながりやすいです。
4 内陸の盆地は寒暖差が大きくなりやすく、果樹栽培などと結びつけて考えやすくなります。
練習の目的:県名を当てることではなく、「資料が何を表しているかを読み、地域の特徴と結びつけて説明できるか」を確かめることです。
家庭学習の進め方|週の計画/確認のポイント
| 回数 | 目安時間 | 取り組む内容 |
|---|---|---|
| 1回目 | 10〜15分 | 白地図:地方の主要県を確認 → 都市部や人口の多い地域を確認 → 海沿い・内陸を判別する |
| 2回目 | 15分 | 統計地図:タイトル、単位、凡例を確認 → 数と割合を区別 → 多い地域の理由を一文で説明する |
| 余裕がある日 | 5〜10分 | 問題の見直し:正解していても理由が言えない問題は、地図・統計・地域の特徴をもう一度確認する |
保護者が声をかけるときの質問例
- ・この地図は何の数を表している?
- ・単位は何になっている?
- ・多い地域はどこに集まっている?
- ・なぜそこが多いと思う?
- ・人口や都市、交通と関係がありそう?
見直しの基準:正解していても、理由が曖昧なら「要復習」とします。根拠が言えなかった問題は、後日改めて解き直しましょう。
地名や用語を覚えてもすぐ忘れてしまう場合は、暗記の仕組みも見直しておくと学習が進めやすくなります。
よくある間違い|統計地図でつまずきやすいポイント
色が濃い県だけを見て理由を考えない
色や記号は手がかりですが、それだけでは説明になりません。なぜ多いのかを、人口・都市・交通などと結びつけて考えます。
数と割合を混同する
商店の数が多いことと、人口あたりの商店数が多いことは同じではありません。単位を見て、何を比べる問題なのかを確認しましょう。
面積が広い県ほど多いと決めつける
商店の数は面積だけでは判断できません。人が多い場所、都市がある場所、交通が便利な場所なども考える必要があります。
凡例を見ずに地図だけで判断する
凡例を見ないと、色や記号が何を表しているか分かりません。資料問題では、タイトル・単位・凡例を先に確認しましょう。


