地図が読めない子のための「位置→地形→気候→産業」のつなげ方

統計地図の選び方
中学受験の地理
都道府県ごとの商店の数を地図に示すとき|地図と資料をつなげて考える方法
都道府県ごとの商店の数を地図に示すとき、どんな地図が適しているのでしょうか。
商店の合計数を比較するなら、円などの大きさで数量を表す図形表現図が適しています。
一方、人口あたりの商店数などを比較する場合は、別の表し方が適しています。
この記事では、地図の選び方から資料問題の解き方、家庭での練習方法まで整理します。
都道府県ごとの商店の数を地図に示すとき、どんな地図が適しているか
都道府県ごとの商店の合計数を比較する場合は、円などの図形の大きさで数量を表す「図形表現図」が適しています。
図形表現図は、商店の数が多い都道府県には大きな円、少ない都道府県には小さな円を配置するなどして、数量の違いを表す地図です。
都道府県の面積が異なっていても、図形の大きさを手がかりに数量を比較できます。
ただし、地図で何を表したいかによって、適した方法は変わります。
- 商店の合計数を比較する場合:
図形表現図。円などの大きさで数量を示します。 - 人口あたりの商店数などを比較する場合:
階級区分図。数値をいくつかの階級に分け、地域を色の濃淡などで示します。 - 商店の分布や集中の様子を表す場合:
点描図。一定の数量を点で表し、分布の特徴を示します。
注意:
商店の合計数と、人口あたり・面積あたりの商店数は、同じ意味ではありません。
また、問題文に選択肢や作図条件が指定されている場合は、その条件に合う地図を選びます。
図形表現図だけが、どのような問題でも正解になるわけではありません。
地図の名前を覚えるだけでなく、「実数・割合や密度・分布のうち、何を表したいのか」を考えることが大切です。
図形表現図・階級区分図・点描図の違い
| 地図で表したいこと | 適した地図 | 表し方と選ぶ理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 都道府県ごとの商店の合計数 | 図形表現図 | 円などの図形の大きさで数量を表す。実数の大小を比較しやすい。 | 図形の面積や大きさが何を表すか、凡例を確認する。 |
| 人口あたり・面積あたりの商店数 | 階級区分図 | 比率や密度を階級に分け、色の濃淡などで地域差を示す。 | 商店の合計数が多い地域と、比率が高い地域は一致するとは限らない。 |
| 商店の分布や集中の様子 | 点描図 | 一定の数量を点で表し、どの地域に多く分布するかを示す。 | 点が実際の店舗の位置を示しているとは限らない。 |
地図の選び方のポイント:
絶対量を比較する場合は図形表現図、割合や密度の地域差を見る場合は階級区分図、分布の様子を見る場合は点描図が代表的です。
色の濃淡で絶対数を表すこともできますが、面積の広い地域が視覚的に目立ちやすい点には注意が必要です。
商店の数は、なぜ人口・都市・交通と関係するのか
商店は、人が買い物をする場所に集まりやすいものです。
そのため、商店の数を考えるときは、人口が多い地域や都市部、人の行き来が多い場所などが手がかりになります。
ただし、人口だけで商店数が決まるわけではありません。
都市の広がりや交通の便利さなども考え、地図から読み取れる事実と、その理由についての推測を区別しましょう。
商店の数から、地理全体の見方につなげる
商店の数を読む問題は、統計地図の読み方を学ぶ入口になります。
地図上の数量や地域差を確認したあと、地域の特徴と結びつけて理由を考えることが大切です。
ただし、注目する条件は資料のテーマによって異なります。
商業・農業・工業では、次のような違いがあります。
人口・都市・人の流れ
商店数などの資料では、人が集まる場所や都市部、交通の便利さを手がかりにします。
平野・川・気候
農業の資料では、土地の広がり、水の利用、気温や降水量などを確認します。
交通・港・工業地帯
工業の資料では、原料や製品の輸送、港や工業地帯との関係を考えます。
共通する考え方:
どの資料でも、まず何を表しているかを確認し、地域の特徴と結びつけて考えます。
地図・地形・気候・産業を別々に暗記するだけでなく、それぞれの関係を説明する練習が役立ちます。
雨温図・地形図・統計表・統計地図の違い
地理の資料問題では、資料の種類によって最初に見る場所が変わります。
すべてを同じように読もうとすると時間がかかるため、資料ごとの役割を分けておきましょう。
| 資料の種類 | 読み取ること | 最初に見るポイント |
|---|---|---|
| 雨温図 | 気温と降水量から気候を読む | 気温の高低、雨の多い月、冬の降水量 |
| 地形図 | 土地の高さ、川、道路、集落などを読む | 等高線、川の流れ、道路や集落の位置 |
| 統計表 | 数量や割合を数字で比べる | 単位、年度、合計数か割合か |
| 統計地図 | 数量や割合を地図上で比べる | タイトル、凡例、色や記号の意味 |
資料問題の基本:
資料の種類を確認すると、どこから読み始めればよいかが分かります。
統計地図では、表している数量や割合と、色・記号の意味を対応させることが重要です。
地理の資料問題の解き方|5つのステップ
地図の種類が分かったら、実際の資料問題で読み取る練習をします。
最初からすべての情報を確認するのではなく、次の順番で必要な情報を整理しましょう。
資料の種類を見極める
雨温図、地形図、統計表、統計地図のどれなのかを確認します。
資料によって注目する場所が異なります。
タイトル・単位・凡例を確認する
何を表した資料なのかを確認します。
商店の合計数なのか、人口あたりの商店数なのかによって、読み取る意味が変わります。
多い地域と少ない地域を比べる
いきなり細かい地名を探すのではなく、まず地域全体の傾向を見ます。
円の大きさや色の違いなど、資料の表現方法に合わせて比較します。
地域の特徴と結びつける
商店の数なら人口・都市・交通、農業なら地形や気候など、資料のテーマに合う条件を考えます。
問題文の条件を確認して答える
「最も」「すべて」「~でない」などの言葉に注意します。
選択問題では条件に合わないものを除き、記述問題では根拠を一文で説明します。
資料の数値から直接分かることと、その理由として考えられることを区別しましょう。
根拠を確認してから答える習慣が、読み違いを防ぐことにつながります。
商店の数を示した地図を読むとき
都道府県ごとの商店の合計数を円の大きさで示した地図なら、まず円が大きい地域と小さい地域を比較します。
その後、人口の多い地域や都市部との関係を考えます。
たとえば「商店の数が多い理由を説明しなさい」という問題では、人口が多く買い物をする人が集まりやすいことなどを理由として考えられます。
ただし、実際の解答では、与えられた資料から確認できる内容に基づいて説明しましょう。
中学受験や塾の問題で聞かれやすい形
- 都道府県ごとの商店の数を表すのに適した地図を選びなさい。
- この地図から読み取れることとして正しいものを選びなさい。
- 商店の数が多い都道府県に共通する特徴を答えなさい。
- 地図と統計表を見て、あてはまる都道府県を選びなさい。
地図や資料問題が苦手な原因を整理する
地理の資料問題で間違いが続く場合は、知識が足りないのか、資料の読み方が分からないのかを分けて考えることが大切です。
まずは、次の項目を確認してみましょう。
- 都道府県名は言えるが、地図上で指し示せない
- 地方ごとのまとまりで捉えられていない
- 海沿いか内陸かがすぐに分からない
- 凡例や単位を確認せずに判断してしまう
- 数と割合を混同してしまう
- 地図と統計をどう結びつけるか分からない
つまずきやすい3つの傾向
位置だけ覚えて満足してしまう
都道府県の位置を覚えていても、人口や地形などと結びついていないと、資料問題で理由を説明しにくくなります。
気候や産業を別々に暗記している
地域の位置や地形を確認せずに用語だけを覚えると、似た特徴を持つ地域を混同しやすくなります。
資料のすべてを読もうとする
必要な情報を絞れず、時間がかかってしまうことがあります。
問題文の条件と資料の種類を確認する練習が役立ちます。
判断のポイント:
位置が曖昧なら白地図で確認し、資料の読み取りが苦手ならタイトル・単位・凡例を読む練習から始めます。
間違えた理由によって、必要な復習内容は異なります。
地図が読めない子向けのミニ練習|対策をそのまま試す
地図が読めない原因は、知識不足だけでなく、どこから見ればよいかが決まっていないことにもあります。
次の4問で、資料の選び方と地域の特徴を結びつける練習をしてみましょう。
| 問 | 条件 | 考えること |
|---|---|---|
| 1 | 都道府県ごとの商店の合計数を地図で比較したい。 どのような地図が適しているか。 |
数量の大小をどのように表すと比較しやすいかを考える。 |
| 2 | 日本海側の地域で、冬に雪が多い。 | どの海側か、なぜ雪が多いかを言う。 |
| 3 | 広い平野があり、川のまわりに田畑が広がっている。 | どんな農業につながりやすいかを言う。 |
| 4 | 山に囲まれた内陸の盆地で、夏と冬の気温差が大きい。 | 気候の特徴と、考えられる産業を一つ挙げる。 |
答え方の確認
1
図形表現図が適しています。
円などの図形の大きさで商店の合計数を表すと、都道府県ごとの数量を比較しやすくなります。
2
日本海側は、季節風の影響で冬に雪が多くなりやすいです。
3
平野と川は、水を使う米づくりや広い耕地を使う農業につながりやすいです。
4
内陸の盆地は寒暖差が大きくなりやすく、果樹栽培などと結びつけて考えられます。
練習の目的:
地図の種類や県名を答えるだけでなく、なぜその答えになるのかを説明できるか確認することです。
家庭学習の進め方|週2回15分の練習メニュー
家庭では、一度に多くの地名や統計を覚えようとするよりも、短時間で繰り返し確認する方法が取り組みやすいでしょう。
まずは白地図で位置を確認し、次に統計地図を使って地域の特徴を説明する練習へ進みます。
| 回数 | 目安時間 | 取り組む内容 |
|---|---|---|
| 1回目 | 10〜15分 | 白地図:地方の主要県を確認 → 都市部や人口の多い地域を確認 → 海沿い・内陸を判別する |
| 2回目 | 15分 | 統計地図:タイトル・単位・凡例を確認 → 数と割合を区別 → 多い地域の理由を一文で説明する |
| 余裕がある日 | 5〜10分 | 問題の見直し:正解していても理由が言えない問題は、地図・統計・地域の特徴をもう一度確認する |
慣れてきたら:
地図・雨温図・統計表を組み合わせた問題にも取り組みましょう。
複数の資料から必要な情報を読み取り、地域の特徴や産業との関係を一文で説明する練習につなげます。
保護者が声をかけるときの質問例
- この地図は何を表している?
- 単位は何になっている?
- 多い地域はどこに集まっている?
- なぜそこが多いと思う?
- 人口や都市、交通と関係がありそう?
見直しの基準:
正解していても理由が曖昧なら、復習する問題として残します。
根拠を説明できなかった問題は、後日改めて解き直しましょう。
地名や用語を覚えてもすぐに忘れてしまう場合は、暗記の進め方を見直すことも大切です。
よくある間違い|統計地図でつまずきやすいポイント
色が濃い県だけを見て理由を考えない
色や記号から分かることを確認したうえで、地域の特徴と結びつけて理由を考えましょう。
数と割合を混同する
商店の合計数と人口あたりの商店数は異なります。
何を比較する資料なのかを確認しましょう。
面積が広い県ほど多いと決めつける
商店の数は都道府県の面積だけでは判断できません。
数量を表す図形や統計の数値を確認します。
凡例を見ずに地図だけで判断する
同じ色や記号でも、資料によって意味が異なります。
凡例を確認してから比較しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 色の濃淡で表す地図と、円の大きさで表す地図は何が違いますか?
一方、色の濃淡などで地域を区分する階級区分図は、人口あたりの商店数など、比率や密度の地域差を示す場合に適しています。
ただし、地図の表現方法は問題文の条件によっても変わります。
Q. 商店の数が多い地域は、人口が多い地域と同じですか?
都市の広がりや交通の便利さ、人の集まり方なども関係するため、実際の資料を確認して判断します。
Q. 商店の数と人口あたりの商店数は何が違いますか?
人口あたりの商店数は、人口を基準にした商店数を表します。
合計数が多い都道府県でも、人口あたりの商店数が多いとは限りません。
Q. 点描図の点は、実際の商店の場所を示していますか?
点描図では、一つの点が一定の数量を表すことがあります。
点の数や分布から地域的な特徴を読み取りますが、点の意味は凡例で確認する必要があります。
Q. 地図と気候と産業がうまく結びつきません。
たとえば、海沿いか内陸か、山地か平野か、太平洋側か日本海側かを考えると、気候や産業の特徴を説明する手がかりになります。


