社会の覚え方と暗記方法を流れで確認

中学受験社会の覚え方・暗記方法

「覚えたはずなのに、模試で出てこない」――暗記量より“思い出せる状態”が足りていないだけかもしれません。

中学受験社会は、歴史の出来事、地理の特色、公民の制度など、覚える情報が一気に増えます。ワークはやっているのに点が伸びない、覚え直しても同じ所で止まる――そんなときは「覚え方」ではなく、頭の中でのつながり方確認のしかたが噛み合っていないことが多いです。

社会の暗記で大事なのは、用語をばらばらに覚えることではなく、流れでつなげて、短く何度も確認することです。ここでは、五感を使った覚え方と、ワークを答えを見ながら反復する進め方を整理します。

地理・歴史・公民まで含めた社会学習の全体像は、中学受験 社会専門塾「令和」トップ(全体像はこちら)でも確認できます。

社会は「暗記科目」と言われることが多いですが、実際には、ただ覚えるだけで点が伸びる科目ではありません。たしかに用語や地名、年号、制度名を覚えることは必要です。しかし、本番で必要になるのは、問題を見た瞬間に必要な知識を引き出せること、似た知識と混ざらずに使い分けられること、前後関係や理由まで含めて答えられることです。つまり、覚えた知識を使える形で残しておくことが大切です。

特に中学受験社会では、地理・歴史・公民のそれぞれで覚え方のコツが少しずつ異なります。地理は位置・気候・産業をつなげて理解する必要があり、歴史は出来事を時間の流れで整理する必要があり、公民は制度の目的や仕組みの違いまで押さえる必要があります。どの分野でも共通しているのは、単語を孤立させず、関連する情報どうしを結びつけて覚えることです。そのため、暗記が苦手な子ほど、「まだ努力が足りない」と考えるより先に、「覚え方がばらばらになっていないか」を見直した方が改善しやすいです。

流れで覚える

ただ単に単語などを暗記しても時代のつながりや背景がごちゃ混ぜになってしまっては意味がありません。例えば戦争が起こったとき、年月日を覚えるのはもちろん、国名、期間、その原因、主となる人物、その後に結ばれた条約、など関連する項目がたくさんあります。まずはおおまかな流れを理解し、それから細かな内容を覚えるようにしましょう。ひとつひとつぶつ切りにするのではなく、連続した流れとして覚えることでしっかりと暗記できるようになります。

この「流れで覚える」という考え方は、歴史だけに限りません。地理でも、ある地域の特色を覚えるときには、「位置」「地形」「気候」「農業・工業」「交通」「人口」といったつながりで見ると、単発の知識が整理されやすくなります。たとえば、なぜその地域で米づくりがさかんなのか、なぜ果樹栽培が多いのか、なぜ工業が発達しているのかは、位置や地形や気候と結びついています。ここをつなげて覚えておけば、記号問題でも記述でも対応しやすくなります。

歴史では特に、「出来事→原因→変化→次の出来事」という流れを意識することが重要です。たとえば、ある改革が行われたなら、なぜその改革が必要だったのか、その結果どう社会が変わったのか、次にどんな動きが起きたのかまで見ていくと、単なる用語暗記ではなくなります。これができるようになると、正誤問題や並べかえ問題にも強くなります。単語だけを覚えていると、似た時代や似た人物がすぐ混ざってしまいますが、流れで整理していると前後関係から判断しやすくなります。

公民でも同じです。制度名だけを覚えるのではなく、「何のための制度か」「誰が関わるのか」「他の制度とどう違うのか」を一緒に押さえると、混乱しにくくなります。たとえば国会・内閣・裁判所の働きを覚えるときも、三権分立という大きな枠組みの中で整理した方が定着しやすいです。暗記が苦手な場合ほど、細かい知識から入るより、まず全体の流れや位置関係を先に見てから細部に入る方が効率的です。

五感を使う

教科書をただひたすら読むだけではなかなか暗記はできません。なるべく五感を多く使うように工夫してみましょう。地図や絵など関連する事柄がある場合は、映像や写真として脳内に記憶されるとより情報を整理することができます。また、声に出して書きながら覚える、など動作を同時に行うとより記憶の定着率が上がります。文字情報だけでなく活用できるものは複数活用することで暗記がしやすくなります。

たとえば歴史なら、年表を目で追うだけでなく、人物名や出来事を口に出しながら確認すると、耳からも情報が入ります。地理なら、地図帳を見ながら県名や山地、川、平野、工業地帯などを指でたどるだけでも、位置関係が入りやすくなります。公民なら、制度の図や関係図を見ながら、「これはだれが選ぶのか」「どこに権限があるのか」と声に出して確かめると、意味のない丸暗記になりにくいです。

また、色分けも有効です。歴史なら「人物」「出来事」「条約」「改革」などで色を分ける、地理なら「気候」「農業」「工業」「資源」などで色を分けると、頭の中で分類しやすくなります。ただし、ノートをきれいに作ることが目的になると時間がかかりすぎるので、あくまで思い出しやすくするための補助として使うのがよいです。

五感を使うというのは、特別な勉強法を増やすことではありません。同じ内容を、見るだけでなく、声に出す、手を動かす、位置を見る、図でつなげる、といった複数の入り口から入れるということです。覚えにくい子ほど、文字だけで何度も見返すより、別の感覚を使った方が定着しやすくなることがあります。

ワークは解答を見ながら解く

問題集やワークなどはまず問題を解き、答えをすぐ見て確認するということを繰り返しましょう。ワークは暗記した内容の確認作業のために活用します。問題を見て答えがぱっと浮かばない場合は、暗記ができていないということになります。正答率が低いということは知識が身についていないということになるので、しっかりと繰り返し学習しましょう。問題を解く→答えを見る→できなかった問題を再度解く→答えを見て覚える…ということを繰り返していくことで記憶が定着していきます。ワークを解く際に考え込みすぎず、分からなかったら解答を見て覚える、それに関する内容を再び学習しなおすというような学習の進め方をしましょう。

ここで大切なのは、社会のワークを「考える問題集」として使いすぎないことです。もちろん、資料読み取りや記述では考える力も必要ですが、暗記段階のワークでは、まず知識確認が先です。1問に何分も止まって考えてしまうと、時間ばかりかかって確認量が減ってしまいます。社会は広い範囲を何度も回すことが重要なので、最初の段階では、分からない問題に長く居座るより、答えを見て正しい形を入れ直し、もう一度同じ問題に戻る方が効率的です。

特に、答えを見たときに「分かれば簡単だった」と感じる問題は、そのままにしておくとまた同じ所で止まります。見た瞬間に答えられなかった以上、まだ定着していないと考えた方がよいです。社会では、「知っている」と「本番で出せる」は別です。だから、ワークを解くときは、正解したかどうかだけでなく、迷わず出せたかも見ていく必要があります。

また、ワークの使い方としては、一周目から満点を目指す必要はありません。むしろ、一周目は「知らない所をあぶり出す」ことが目的です。二周目、三周目と回す中で、最初に止まった問題がすぐ答えられるようになっていれば、定着してきているということです。社会は一回で仕上げる科目ではなく、何度も同じ範囲に触れて初めて安定してきます。ワークは、その反復を回すための道具として使うのが効果的です。

短く何度も確認する

社会の暗記では、一回に長時間やるより、短い時間でも回数を増やした方が定着しやすいことが多いです。二時間かけて一気に詰め込んでも、翌日にかなり抜けてしまうことがあります。それよりも、十五分や二十分でもよいので、同じ範囲に何度も触れる方が、記憶は残りやすくなります。

たとえば、朝に歴史の流れを五分確認し、夕方にワークで同じ範囲を十問解き、夜に間違えた問題だけ見直す、というように分けると、同じ内容でも複数回思い出すことになります。この「思い出す回数」が増えるほど、知識は使いやすい形に変わっていきます。社会が苦手な子ほど、一回で覚えきろうとしがちですが、実際には何度も薄く触れた方が定着することが多いです。

また、確認のときには「読むだけ」で終わらせず、簡単でよいので答えを口に出す、手で隠して思い出す、ミニテストのように自分で確認する、といった動きを入れると効果が上がります。見ているだけだと「覚えた気」になりやすいからです。社会は、答えを見れば分かる状態から、問題を見た瞬間に自分で出せる状態にしていく必要があります。

似た知識をセットで整理する

社会が混ざりやすい原因の一つは、似た知識をばらばらに覚えていることです。たとえば、歴史で似た名前の改革や条約、地理で似た農業や工業地帯、公民で似た制度や選挙の仕組みなどは、単独で覚えるとすぐ混ざります。

こういうときは、似たものを並べて比較するのが有効です。たとえば「この制度とこの制度は何が違うか」「この地域とこの地域は何が共通で何が違うか」「この人物は何をした人か」を表にして整理すると、記憶の区別がつきやすくなります。社会は量が多いぶん、似たものを同時に扱って整理する力が大切です。

特に歴史は、「人物だけ」「出来事だけ」で覚えていると混乱します。人物と政策、出来事と条約、原因と結果を結びつけて整理すると、記憶が安定します。地理でも、「この県は何が有名か」だけでなく、「なぜそうなのか」を一緒に入れておくと忘れにくくなります。

暗記と理解を分けすぎない

社会では、「理解してから覚える」と「覚えてから理解する」の両方が必要です。最初から完璧に理解してから覚えようとすると進みませんし、意味をまったく考えずに覚えるだけでも定着しません。だから、まずは大まかな流れをつかみ、その上で必要な用語を入れ、ワークで確認しながら少しずつ意味を深めていく、という進め方が現実的です。

たとえば、最初は年号や名称がうろ覚えでも、流れがつかめていれば次の確認で入りやすくなります。逆に、用語だけ先に覚えても、位置づけが分からなければすぐ抜けます。理解と暗記は別物ではなく、行き来しながら固めていくものです。社会が苦手な子ほど、この二つを切り離しすぎない方がうまくいきます。

社会の暗記は、真面目に考えすぎたり時間を使いすぎてしまったりする必要はありません。答えをすぐ見て無駄な時間をなくしたり、五感を使って暗記をし、前後の流れをきちんと理解することで各段に社会の暗記、記憶の定着が見込めます。社会は常に新しい知識を覚えていかなければならないため、同時に古い記憶を忘れないようにする反復学習がとても大切になってきます。時間を有効に活用して暗記するようにしましょう。

「覚えたはずなのに出てこない」という状態は、能力の問題というより、思い出す練習の量や整理のしかたが足りていないことが多いです。流れでつなげる、五感を使う、ワークで即確認する、短く何度も回す。この基本が整ってくると、社会は少しずつ点につながる科目になっていきます。暗記量そのものを増やす前に、まずは思い出せる形で残すことを意識して進めていきましょう。

 

本科「地理の完成」≪8回完結講座≫

地理分野は「どこに何があるのか」「どこで何が行われているのか」を正しく理解することに尽きます。したがって「場所」つまり「地図」をベースにおいて理解を進めないと、きちんと知識を積み上げることが出来ません。当塾では、常に「どこ」というポイントに軸足を置きながら、様々な事象・現象を正しく理解させるように指導を行っていきます。