歴史資料問題の解き方|絵・写真・文章史料の“見るべき点”
中学受験 小4〜小6向け
歴史資料問題の解き方|絵・写真・文章史料の“見るべき点”
返却された歴史のテストで、用語問題は取れているのに、資料問題だけがごっそり得点を逃している。選択肢を見ると、どれもそれらしく見えて決め切れない――この状態は、知識不足ではなく資料の見方が定まっていないことが原因になっている場合が多い。
資料問題は「知っているか」よりも「どこを見て、何を確かめ、どう判断するか」の流れで得点が決まる。
- 最初に確認すべき4点(読む順番)
- 絵・写真/文章史料の見分け
- 雰囲気・年代飛びつきの修正
- 家庭で回せる週の進め方
まず状況整理|どこで詰まっているかを確認する
- 資料を見る前に、選択肢から読んでしまう
- 年号や時代名が浮かぶと、それだけで判断している
- 絵や写真を「なんとなく古そう/新しそう」で処理している
- 文章史料の言い回しを、現代語の感覚で読んでいる
- 解説を読むと「知っていたのに」と感じることが多い
複数当てはまる場合、資料問題は知識の増量より先に読む順番を習慣にすることが必要。
資料問題のミスは「覚えていない」ではなく、判断に使う根拠が毎回変わることで起きる。
まずは見る順番と確認ポイントを習慣にし、次に「因果・立場・制度」で判断できる形へ整理する。
原因の切り分け|典型的な3つのパターン
絵や写真の印象だけで「この時代っぽい」と決めてしまう。
原因:道具・服装・建物など、見るべき具体要素が整理されていない。
文章史料の一語から年代を連想し、そのまま選択肢を決定する。
原因:年代が「判断材料」ではなく「答え」になっている。
史料中の語句を知っているかどうかで判断する。
原因:用語を因果や制度と結びつけて使えていない。
改善のステップ|資料問題はこの順で読む
今日
- いつ頃の話か(時代の幅を持たせる)
- 誰の立場か(支配側/民衆/外国など)
- どの制度・仕組みが関係するか
- 何が変化している場面か(前後比較)
今週
- 道具(農具・武器・貨幣など)
- 服装(身分差・洋装/和装など)
- 建物(城・寺社・工場・住宅など)
- 制度語(〜制、〜令、〜役 など)
- 評価語(よろこぶ/苦しむ/改める など)
- 主語(為政者か民衆か、誰が語っているか)
今月
史料を見たら、背景 → 制度・出来事 → 影響を一文で言い直す。年代を覚える前に、出来事が「何のために」「誰にどう影響したか」をセットで持つことが、資料問題の安定につながる。
歴史の整理そのものが不安定なら、暗記量を増やすよりも「因果・セット・対比」で組み直す視点が先になる。土台の整理の仕方は
歴史の本質を整理する視点|令和
を参照してほしい。
よくあるミスと修正|得点を逃すポイントはここ
| 症状(ミスの形) | 原因 | 修正行動(次にやること) |
|---|---|---|
| 年代一致だけで即決 | 年代を「証拠」ではなく「正解」扱いしている | その年代で誰にとって有利か/負担が増えるのは誰か(支配層・民衆・商人・農民)を確認してから選ぶ |
| 絵を見て終わり | 道具・服装・建物の観察点が習慣になっていない | 「この絵は何を伝えたいか」を一文で言ってから選択肢へ(身分差/生産の場/軍事/交易など) |
| 文章史料を現代語感覚で読む | 命令・強制・評価の方向を取れていない | 命令・禁止・称賛・批判の方向と主語(誰が誰に)を確認してから判断する |
家庭での進め方|週単位で無理なく続けられる仕組み
- 頻度:週2回、1回15分
- 対象:模試・過去問から資料問題だけ抽出(同タイプで固める)
- 丸つけ基準:正解でも「判断理由が言えない」は×
- ミスノート項目:①見落とした要素 ②判断が早すぎた点 ③次回の見る順
- 翌日の確認:同タイプ資料を1問だけ解き直し、根拠を言葉にする
資料問題は単独で伸ばせる一方、社会全体が「覚えたのに点が取れない」状態だと、判断が毎回ブレやすい。
勉強の進め方を原因別に整理する場合は
社会の勉強法を改善する|原因別の修正
を先に入れておくと、資料以外のミスも減らしやすい。
FAQ
Q
年代暗記はやらなくていい?
▾
不要ではない。ただし資料問題では年代は「補助材料」。まずは資料の根拠(道具・制度・立場)で絞ってから、年代で確かめる。
Q
絵が苦手で、何を見たらいいか分からない
▾
最初は道具・服装・建物の3点だけに絞る。項目を増やすほど判断が遅くなりやすい。3点で「この絵が伝えたいこと」を一文にしてから選択肢へ。
Q
記述問題にも使える?
▾
使える。とくに「背景→制度・出来事→影響」の一文化は、記述の骨組みになる。資料を見た時点で骨組みが作れると、本文から拾う情報も安定する。
Q
小4でも早くない?
▾
早くない。小4のうちに「見る順番」を作ると、小5以降の資料問題の伸びが安定しやすい。細かい知識よりも、判断の基本を先に入れる。
Q
正解したのに再現できないことが多い
▾
正解の要因が「消去」や「雰囲気」だと再現できない。丸つけ時に「根拠を一文で言う」を必ず入れ、言えない正解は×扱いにして再現性を積み上げる。
次に読む|資料問題を得点源にするために
資料で点が止まる原因(歴史/地理/ステップ)を切り分け、次に読む1本を決める入口。
資料の判断が揺れる原因を減らすために、「因果・セット・対比」で整理を作り直す。
覚え方だけに寄らず、原因別に「何を直すか」を明確にして全体のミスを減らす。
短期間で資料問題の詰まりを特定し、必要な範囲だけ修正する。
資料問題は、見る順番と判断基準が固まると安定して取れる分野になる。
現状の答案から「どこで根拠がズレているか」を整理し、家庭での進め方まで落とし込む形で改善したい場合は、講座案内を確認してほしい。
コラム
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