日本の気候と農業|なぜその作物がそこで作られるのか

社会の悩み一覧(ハブ)へ

 

作物名は覚えたのに、根拠が出てこない状態をほどく

「気候→作物→理由」をつなぎ直すと、資料問題でのミスを防ぎやすい

「北海道=○○」「九州=○○」のように作物名だけを覚えていると、統計・地図・文章が合わさった問題で止まりやすい。
入試で問われるのは作物名そのものより、その作物が成立する条件と理由である。

気温
降水
地形
市場・輸送
栽培の時期

覚える単位を「作物」から気候→作物→理由へ。これだけで、初見の資料でも根拠を組み立てやすくなる。

この記事で揃えること

  • 「気候→作物→理由」ワンセットの作り方
  • 代表例(暖/寒、雨多/少、平野/高地)の接続
  • 統計×地図×文章の複合への解き進め方
  • 家庭で回す15分運用(翌日確認まで)
このページの要点へ

必要なところから戻れる仕組み

まず状況整理|どこで詰まっているか

チェック

当てはまる数が多いほど、暗記不足ではなく「解く順番」と「理由づけ」が整理できていない可能性が高い。

暗記はあるのに点にならないサイン
  • 作物名は言えるが、理由が曖昧
  • 統計(出荷量・作付面積)が出ると止まる
  • 地図が出た瞬間に、作物名を当てに行く
  • 文章資料の条件語(冷涼・少雨など)を拾えない
進め方が整理されると見直ししやすいサイン
  • 気温・降水・地形を同時に見て混乱する
  • 「用語=場所」の丸暗記に引っ張られる
  • 誤答後の直しが「覚え直し」だけで終わる
  • 根拠を一文で言い切れない

原因の切り分け|典型パターン3つ

症状→原因→修正行動

パターン1:作物名から逆算してしまう
  • 症状:地図や統計を見た瞬間に「ここは○○」と当てに行き、条件確認が抜ける
  • 原因:暗記を正解ルートにしており、資料が付くと根拠が乱れる
  • 修正行動:最初に気温(暖/寒)降水(多/少・季節差)の方向だけを決め、作物は最後に判断する
パターン2:条件は拾うが「理由」が言語化できない
  • 症状:冷涼・少雨などは分かるが、なぜその作物につながるかが曖昧
  • 原因:気候と作物の間にある「生育条件(暑さ・寒さ・水・日照)」が抜けている
  • 修正行動:理由は生育に必要→不足/過剰→対策(施設・時期の調整・市場)の形で一文にする
パターン3:統計・地図・文章のどれか一つに引っ張られる
  • 症状:統計だけ/地図だけで判断し、条件がズレたまま選ぶ
  • 原因:複合資料の見方が決まっていない
  • 修正行動文章(条件)→地図(候補)→統計(裏取り)の順に確認し、最後に選択肢を消去する

改善へのステップ|今日・今週・今月

学習の組み立て

今日
ワンセットの書き方を定着させる
  1. 気温(暖/寒)
  2. 降水(多/少・季節差)
  3. 地形(平野/高地/盆地)
  4. 作物(候補は2つまで)
  5. 理由(生育条件+人の工夫)
今週
代表例を「条件→理由」で固める
  • 冷涼:暑さに弱い作物/牧草→酪農
  • 温暖:果樹・野菜/施設で出荷時期を調整
  • 少雨:畑作寄り/かんがいの有無が鍵
  • 平野:機械化・大規模化→稲作の条件
  • 高地:夏でも涼しい→高原野菜(季節をずらす)
地理全体の判断軸を先に整理すると、暗記に引っ張られにくい。
地理の基礎整理(判断軸を揃える)
今月
複合資料の解き方を身につける
  • 文章:条件語(冷涼・少雨・台風・水はけ)に線
  • 地図:地域候補を2つに絞る
  • 統計:上位県・差の大きさで裏取り
  • 選択肢:条件に合わないものから消去
「気候→作物→理由」ワンセット表(暗記の単位を変える)
気候・地形 作物・農業の形 理由(生育条件+人の工夫)
冷涼(北/高地) 酪農/牧草・乳製品 冷涼で牧草が育ちやすい。飼育に向き、農地条件とも合わせやすい。
温暖(南/沿岸) 果樹・野菜/施設園芸 温度条件が整いやすい。施設で季節をずらし、出荷時期を調整できる。
少雨(内陸など) 畑作/かんがいの有無 水確保が課題。水を多く必要とする作物は不利で、設備や河川条件が理由になる。
平野(広い耕地) 稲作/機械化・大規模化 まとまった土地で機械化が進む。水田を整備しやすく、作付を安定させやすい。
高地(夏も涼しい) 高原野菜(夏野菜の産地) 平地が暑い季節でも育つ。季節をずらして出荷でき、需要期に合わせやすい。

入試の問われ方|統計・地図・文章の複合に備える

出題対応

統計で問う

上位県・増減の理由を問う。数字は「傾向」を読む。

  • 上位県=理由がある(気候・地形・市場)
  • 差が大きい=条件がはっきりしている
地図で問う

分布や地域差。暗記ではなく条件から候補を絞る。

  • まず暖/寒、雨多/少を決める
  • 平野/高地で「作れる形」を判断
文章資料で問う

条件語が鍵。気候・地形・市場のどれかを分類する。

  • 冷涼・少雨・台風=気候
  • 平坦・盆地・高地=地形
  • 近郊・出荷・輸送=市場

よくあるミスと修正|誤答例→直し方

行動で戻す

誤答例1:作物名が出たら即決する

原因:暗記を先に使い、条件を確認していない。

直し方:まず条件を2語で言う(暖/寒、雨多/少)。作物は最後に判断する。

誤答例2:施設園芸=温暖地域と決めつける

原因:「用語=場所」の丸暗記。

直し方:施設は「季節をずらす工夫」。温度だけでなく、市場・輸送を理由に入れて結論を出す。

誤答例3:統計上位を見て理由を後付けする

原因:数字だけで結論を出し、条件の裏取りがない。

直し方:地図・文章に戻り、気候・地形・市場のどれが根拠かを一つに絞って説明する。

誤答の直し方が「覚え直し」だけだと、同じ形で再発しやすい。原因別に戻し方を揃える。
間違えやすいパターン別の直し方

家庭での回し方|週の計画/確認方法/声かけ

15分運用

1回15分の流れ(ワンセット暗記)
  • 5分:条件(暖/寒、雨多/少、平野/高地)を先に言う
  • 7分:作物を2候補まで絞り、理由を一文で作る
  • 3分:翌日の確認用に「条件→作物→理由」をメモ
丸つけ基準とミスノート(3項目)
  • 丸つけ:正誤より理由が言えたか
  • ミスノート:①拾った条件 ②外れた理由 ③次の修正行動
  • 翌日:同じ条件で再現できるかを1問で確認

FAQ

確認

Q. 作物は何個覚えれば十分?
A. 個数より「ワンセット」で言えるかが重要。条件→作物→理由が一文で言えれば、初見資料でも対応しやすい。
Q. 「温暖=果樹」で決めつけてよい?
A. それだけで覚えると複合資料でミスをしやすくなります。温度条件だけでなく、市場・輸送や施設の有無を理由に一つ添えて判断します。
Q. 統計が苦手で数字を見ると固まる
A. 数字は「上位か」「差が大きいか」だけを先に見る。傾向を読んで、地図・文章で裏取りして結論を出します。
Q. 近郊農業・促成栽培が混ざる
A. 用語から入らず「市場が近い」「時期をずらす工夫」と言い換えてから、条件→作物→理由へ戻す。
Q. 間違え直しはどうする?
A. 覚え直しではなく、①拾った条件 ②不足した理由 ③次の修正行動の3点だけを書き、翌日に同条件で再現する。

次に読む|判断力を広げる

関連記事

気候と農業は、雨温図・統計・地図の資料問題と直結する。
次のステップがスムーズにつながるよう、目的別に置く。
どこから直すか迷う場合は、先に全体像を整理してから進むと判断しやすい。

判断の前に|今の詰まり方を切り分ける

整理

気候・作物・統計・地図・暗記のどこに原因があるかを整理し、次に読む1本を決める入口。


社会の悩み別整理を見る

地理の判断軸を揃える

地理

作物暗記に寄らず、資料問題で迷わない前提(見方の順番)を整える。

地理の基礎整理へ

暗記を点数に変える手順

学習法

「作物名だけ」をやめ、条件→理由の順で覚える単位を作る。

暗記の扱い方を確認する

短期で苦手だけ克服する

短期

複合資料が苦手なら、原因別に直し方を揃えて短期で修正する。

単発講座の案内を見る

間違えやすいパターンで修正する

直し方

誤答を「覚え直し」で終わらせず、原因→修正行動で戻す。

間違いの直し方へ

講座・問い合わせ

講座

地理だけでなく、社会全体を「判断→定着」の進め方から組み直したい場合は講座案内も確認できる。

講座一覧を見る

まずは「気候→作物→理由」を一文で言い切れる形にする。
ここが固まると、統計・地図・文章の複合でも根拠が作りやすい。

本科「地理の完成」≪8回完結講座≫

地理分野は「どこに何があるのか」「どこで何が行われているのか」を正しく理解することに尽きます。したがって「場所」つまり「地図」をベースにおいて理解を進めないと、きちんと知識を積み上げることが出来ません。当塾では、常に「どこ」というポイントに軸足を置きながら、様々な事象・現象を正しく理解させるように指導を行っていきます。

コラム

中学受験の社会科対策を専門にサポートし、遅れたスタートや知識整理の難しさを解決し、考える社会への興味を育て、社会人としての成長をサポートします。