中学受験 社会の「間違えやすい漢字」総まとめ──地理・歴史で落としやすい用語をチェック

中学受験の社会では、用語の意味だけでなく漢字を正確に書けるかどうかが合否を左右します。内容理解はできているのに、誤字・脱字のせいで失点してしまうケースは少なくありません。

特に、普段よく目にする漢字と勘違いして覚えてしまうパターンが多く、「読みは合っているのに字を間違える」というもったいないミスが目立ちます。
このページでは、中学受験社会で間違えやすい漢字を「地理・歴史・公民」に分けて整理し、よくある誤りのパターンとあわせて紹介します。

暗記の際は集中して学習し、テストの最後には必ず見直しをする習慣を身につけていきましょう。

中学受験社会で漢字ミスが起こる理由

社会で漢字を間違えてしまう主な原因は次のようなものです。

  • 普段よく使う漢字と形や読みが似ているために混同する(例:租と祖、隈と隅 など)
  • 地名・人名の漢字だけあいまいなまま読みだけで覚えている
  • 画数が多い漢字を「なんとなく」書いてしまうため、一部が抜けたり順番が入れ替わる
  • 制限時間ぎりぎりで書き、見直しをしないまま答案を出してしまう

大切なのは、「覚えたつもり」「書いたつもり」にならないことです。
次の一覧をチェックしながら、自分が勘違いして覚えていないか、一度しっかり確認してみましょう。

地理で間違えやすい漢字

赤文字は、特によく出題され、よく間違えるものです。地名・用語・産業用語は入試での頻出分野なので、必ず正しい漢字で書けるようにしておきましょう。

地名・用語とよくある誤り

正しい表記 間違えやすい例・注意点
対馬(つしま)海流 × 対島 など。「馬」の字を書き忘れないようにしましょう。
筑紫(つくし) 「筑後」と混同、「紫」を「柴」と書いてしまうミスに注意。
種子島(たねがしま) × 種ヶ島。「ヶ」ではなく「子」であることを確認しましょう。
琉球王国(りゅうきゅうおうこく) × 流。「さんずい+瑠ではない琉」になっているかどうか注意。
鹿島(かしま)臨海工業地域 茨城県鹿嶋市(地名は「鹿嶋」)。佐賀県には鹿島市があり、混同しやすい。
宍道湖(しんじこ) × 穴道湖としないように。「宍」の形をしっかり確認。
促成栽培・抑制栽培・栽培漁業 × 捉/制/裁/倍 など、とめ・はね・構えを取り違えやすい語です。
近郊農業 × 近効農業 など。「郊」の右側は「交」です。
琵琶湖 × 琶琵湖。漢字の順番を逆にしてしまうケースが多いので注意。
阿蘇山 × 阿蘓山 / 阿蘚山 など。部首や下の部分をよく見て書きましょう。
愛媛県 × 愛姫県。「媛」は「女+爰」。姫と混同しないように。
貿易摩擦 × 貿易察擦 など。「摩」を「摩擦」のイメージで覚えておきましょう。
排他的経済水域 「域」の最後の一画を書き忘れてしまうパターンが多いので要注意。
鳥取県 × 取鳥県。順番を入れ替えないように。
銚子市 言葉の響きだけで覚えず、「銚」の形をしっかり確認しましょう。
滋賀県 × 磁賀県。「さんずい+滋」であることを意識。
石見銀山 × 岩見銀山。読みだけ覚えて漢字を誤るパターンが多いので要注意。
与那国島・那覇市 × 邦。「那」の字形をよく確認しましょう。
太平洋 × 大平洋。「太」と「大」の書き分けに注意。
合掌造り × 合挙造り / 合拳造り。「掌」を正しく書けるように練習しましょう。
石灰石 × 石炭石。炭ではなく「灰」であることに注意。
飛驒山脈 「飛騨」でも通じますが、受験では「飛驒」の表記がより望ましいとされます。
雄物川 「雄」の左側を「広」にしてしまいやすいので、部首に注意。
鉄鉱石 鉄鋼と鉄鉱を混同しやすく、語句自体を取り違えることもあるので注意。
新潟(にいがた) 「潟」を正しく覚えましょう。「場」の下の部分のように書かないように。
酪農・霞ヶ浦・過疎・鎌倉市 いずれも画数が多く間違いやすい漢字なので、何度も書いて確認が必要です。
奥羽山脈 「奥」の下の部分は「大」。形を取り違えないようにしましょう。
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歴史で間違えやすい漢字

歴史分野では、人名・出来事の名称の漢字ミスが特に多く見られます。読みだけで覚えてしまい、いざ書こうとすると出てこない…という事態を防ぐために、ここで一度確認しておきましょう。

人名・制度・出来事のよくある誤り

正しい表記 間違えやすい例・注意点
遣隋使(けんずいし) × 遺隋使。「遣」と「遺」の違いに注意。
租(そ)・地租改正 × 祖。「しめすへん」ではなく「のぎへん+且」であることを押さえましょう。
朝廷(ちょうてい) × 朝延。「廷」の字形をしっかり区別しましょう。
墾田永年私財法(こんでんえいねんしざいほう) 墾の「豸」の右側を、家のような形にしないように注意。
議院内閣制(ぎいんないかくせい) 「議院」と「議員」を書き間違えないようにしましょう。
卑弥呼(ひみこ) 「卑」の縦棒をはねないように注意。
本居宣長(もとおりのりなが) 漢字と読みをセットで覚え、当て字にならないようにしましょう。
板垣退助 × 坂垣 / 桓垣 など。板の字形をしっかり覚えましょう。
大隈重信(おおくましげのぶ) × 大隅重信。「隈」と「隅」を取り違えないように。
安倍晋三(あべしんぞう) × 阿部・安部・阿倍 などと書きがちです。
時事問題として出題されやすい総理大臣は、漢字を含めて正確に覚えておきましょう。
大宰府(だざいふ) 大宰府は古代の役所の名前、太宰府は現在の地名です。区別して覚えましょう。
福沢諭吉 × 福沢輸吉 / 福沢論吉 / 福沢輪吉 など。「諭」の字に注意。
応仁の乱 × 応任の乱。「仁」の字を使うことを確認。
元寇 「うかんむり」を「わかんむり」にしやすいので、上の部分に注意。
市川房枝 × 市川房江。最後の一字を間違えないように。
菅原道真 × 管原道真。「艹(くさかんむり)」が付く菅の字です。
文明開化 × 文明開花。「化」と「花」を取り違えないように。
与謝野晶子 × 与謝野昌子。「晶」の字は日が三つであることを意識しましょう。
蘇我入鹿 × 蘚我入鹿 など。似た漢字と混同しないよう確認。
北里柴三郎 × 北里紫三郎。「柴」と「紫」の取り違えに注意。
西郷隆盛 郷の左側を「幺」にしないよう、部首の形に気をつけましょう。
壇ノ浦の戦い × 旦ノ浦の戦い。「且× 旦○」と混同しないように。
延暦寺 × 延廷寺。暦と廷を取り違えないようにしましょう。
文禄の役 「禄」の左側はしめすへんであり、「ころもへん(衤)」ではありません。
一揆 揆の右側を「発」にしがちなので、字形に注意。
太閤検地 × 太閣検地。「閤」と「閣」を混同しないこと。
財閥解体 閥の門構えの中は「伐」が正解。「代× 伐○」です。
日宋貿易 × 日栄貿易。宋と栄を取り違えないようにしましょう。
治安維持法 × 治維安持法 など、語順や漢字を入れ替えないように注意。
御成敗式目・五箇条の御誓文 「御」の字を「御」「ご」と正しく書き分けられるようにしておきましょう。
荘園 「荘」はくさかんむりが付くことを確認。
邪馬台国 × 邪馬大国。「台」と「大」を混同しないように。
勘合貿易・親鸞 読みと漢字をしっかり一致させて覚えましょう。特に「鸞」の字は要練習です。
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公民で間違えやすい漢字

公民分野では、憲法・政治制度に関する用語の漢字ミスが目立ちます。意味は理解していても、細かい部分を間違えると減点対象になるため、仕上げの段階で必ず確認しておきましょう。

公民用語のよくある誤り

正しい表記 間違えやすい例・注意点
拒否権・正距方位図法 × 巨臣権 など、「否」を「臣」と書かないように。「距」の字形にも注意。
公共の福祉 「祉」はしめすへん。衣へん(衤)と混同しないように。
弾劾裁判 × 弾刻裁判 など。「劾」の字形に注意。
社会保障 × 社会保証。保障:社会全体で支える制度保証:個人や会社が責任を持つ約束という違いを押さえましょう。
象徴 × 微徴 など。「象」の字を省略しないよう注意。

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漢字ミスを減らすための勉強法

ここまでの一覧を踏まえて、実際の学習で意識したいポイントをまとめます。

  • 「正しい漢字+間違えやすい漢字」をペアで覚える
    例:租(正)/祖(誤)、象徴(正)/微(誤)など、
    あえて誤字も書き出して「どこが違うか」を意識すると記憶に残りやすくなります。
  • 地名・人名は「地図」「年表」「人物写真」と一緒に覚える
    字面だけでなく、地理的な位置や歴史上の役割とセットで覚えると忘れにくくなります。
  • 練習問題のあとに必ず漢字だけを見直す時間をとる
    記号問題・選択問題だけでなく、記述や用語記入の部分を漢字に集中してチェックしましょう。
  • 「よく間違える自分専用リスト」を作る
    このページのような一覧を参考に、特に自分が間違えた漢字だけを集めたノートやカードを作ると効果的です。

まとめ

中学受験の社会では、用語の意味を覚えるのと同じくらい、漢字を正確に書けることが重要です。

  • 問題を解き終わった後は、必ず見直しをして漢字の間違いがないかチェックする。
  • 答案を冷静に確認し、ケアレスミスを減らす意識を持つ。
  • 意味とセットで漢字を覚え、読みだけの暗記にしないようにする。
  • 間違えやすい漢字は、「正しい形」と「ありがちな誤字」をセットで整理する。

間違った認識のまま勉強を進めてしまうと、記憶をアップデートするのになかなか時間がかかってしまいます。
最初に正しい漢字をしっかり身につけることが、結果的に最短ルートになります。日々の演習の中で、「漢字を正しく書く」意識を忘れずに取り組んでいきましょう。

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地理分野は「どこに何があるのか」「どこで何が行われているのか」を正しく理解することに尽きます。したがって「場所」つまり「地図」をベースにおいて理解を進めないと、きちんと知識を積み上げることが出来ません。当塾では、常に「どこ」というポイントに軸足を置きながら、様々な事象・現象を正しく理解させるように指導を行っていきます。