中学受験のための社会の勉強はいつから始めるべき?

「社会は暗記科目だから、受験勉強は夏休みからで十分」と考えていませんか?
しかし、6年生の夏休みに入ってからゼロの状態で社会の勉強を始めるのは非常に危険です。知識量だけでなく、記述・応用問題まで含めて戦える力をつけるには、6年生1学期の過ごし方が勝負になります。

このページでは、中学受験の社会の勉強を「いつ」「どのように」始めるべきかを、1学期→夏休み→アウトプット学習の流れに沿って整理して解説します。

中学受験の社会の勉強はいつから始めるべきか

結論から言うと、社会の本格的な受験勉強は、6年生の1学期からすでにスタートしていると考えるべきです。

「夏休みから追い込みで暗記すれば何とかなる」という考え方は危険で、
夏前までの準備次第で、夏以降の伸び方が大きく変わります。

夏休みを「仕上げ」の時間にするためには、夏休みまでに覚えるべきことを覚えておくことが前提条件になります。

6年生1学期の過ごし方が重要な理由

6年生1学期は、受験社会の土台を固める時期です。この期間にやるべきことは次の通りです。

  • 基本用語・基本知識を一通りインプットしておく
  • 地理・歴史・公民のそれぞれで、頻出単元を中心に暗記を進める
  • 関連する用語・出来事もまとめてセットで覚える

知識を深く問われる筆記問題や応用問題は、夏休みから学習を始めても間に合いません。夏に入ってから焦らないためにも、6年生の1学期までに暗記すべきものは、関連する内容も含めて覚えておくことが大切です。

夏休みの社会の勉強法

1学期までにある程度の知識が身についていれば、夏休みは演習と苦手克服の期間として使うことができます。

夏にやるべきこと

  • 1学期に覚えた全範囲を、問題演習を通して使える知識に変える
  • 特に苦手な分野・あいまいな単元を、夏の時間を使って重点的に克服する
  • 過去問や模試形式の問題で、時間配分や答案作成の練習を進める

夏休みは、「新しいことを一から大量に覚える期間」ではなく、「1学期に覚えた知識を深め、使いこなせるようにする期間」に充てるのが理想です。

インプットとアウトプットを組み合わせる

中学受験の社会は、「暗記さえしておけばよい」と思われがちですが、暗記だけを続けても膨大な量の知識を維持することは難しいのが現実です。

暗記+問題演習=記憶の定着

知識を定着させるためには、インプットとアウトプットを必ずセットで行いましょう。

  • 暗記(インプット):テキスト・ノート・暗記カードなどで用語や流れを覚える
  • 問題演習(アウトプット):一問一答・記述・資料問題などで何度も解いて書く

ただ見るだけでなく、一問一答形式の問題であれば、「説明文も単語もどちらも言える/書ける」状態を目指しましょう。「説明は読めるけれど、自分では書けない」という状態から一歩先へ進むことが重要です。

記述問題は「部分点」を意識して取り組む

社会の記述問題に対して苦手意識を持つ受験生も多いですが、1学期から積み重ねてきた知識と演習があれば、必要以上に怖がる必要はありません

  • 記述問題には部分点がある
  • 完璧な模範解答でなくても、キーワードが入っていれば得点できる
  • まずは「全部書こう」よりも、確実にキーワードを押さえる練習が大切

記述は「書かなければ0点」の問題です。完璧を目指しすぎて手が止まってしまうよりも、書けるところから書いて部分点を取りにいく意識を持ちましょう。

時事問題は日頃からニュースで対応する

時事問題は、常にニュースや新聞で最新の情報を取り入れ、理解を深めておくことが重要です。

  • 毎日ニュース番組や新聞・ニュースアプリに目を通す習慣をつける
  • 気になったニュースは、地理・歴史・公民のどの単元につながるかを考える
  • 用語や数字、背景となる出来事を簡単にメモしておく

時事問題は、単発の暗記だけではなく、普段から社会の動きに関心を持っているかどうかが得点に直結します。

1学期・夏・時事を意識した社会勉強の全体像

ここまでの内容を、時期別に整理すると次のようになります。

  • 6年生1学期
    └ 基本用語・重要語句を中心に暗記と基礎演習を進める時期。
  • 夏休み
    └ 1学期に覚えた内容を演習で深める・苦手をつぶす仕上げの時期。
  • 通年(1学期〜入試直前)
    └ ニュースや新聞を通じて時事問題の土台を作り続ける時期。

中学受験の社会においては、1学期の過ごし方が非常に重要です。夏休みは社会だけでなく、他教科も本格的な受験勉強の時期に入ります。そこで初めて社会の暗記を始めるのは、時間の面でも精神的な面でも大きな負担になってしまいます。

まとめ:社会は「コツコツ型」の教科として取り組もう

中学受験の社会は「暗記すれば何とかなる」教科ではなく、コツコツと知識を積み重ねていく教科です。

  • 6年生1学期までに、暗記すべき基本事項をおおむね覚えておく
  • 夏休みは、新しい暗記よりも演習と苦手克服に重点を置く
  • 暗記だけでなく、インプットとアウトプット(問題演習)をセットで行う
  • 記述問題は部分点を意識し、書くことを恐れない
  • 時事問題は、日頃からニュース・新聞に触れて継続的に準備する

社会の勉強は、短期間の詰め込みよりも、毎日の積み重ねがものをいいます。1学期から少しずつ準備を進め、夏休み以降の学習で一気に力を伸ばせるような学習計画を立てていきましょう。

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