社会のアルファベット略称一覧【中学社会】国際機関・地理・公民の頻出語をランク別に整理
中学受験の社会では、条約名や国際機関などが「アルファベットの略称」で出題されることが非常に多くあります。
しかし、略称だけを丸暗記しても、本番では意味まで問われることが多く、「何の略か」「どんな役割の組織か」を理解していないと得点につながりません。
このページでは、中学受験社会で頻出のアルファベット略称を、重要度(ランクA・B・C)ごとに整理して解説します。
あわせて、効率よく覚えるための学習法も紹介しますので、テスト前の総仕上げや日々の暗記のチェックに活用してください。

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中学受験社会でアルファベット略称が重要な理由
社会科では、時事問題や国際情勢、経済分野を中心に、アルファベット略称が頻出です。特に難関中学では、次のような出題がよく見られます。
- アルファベット略称だけが示され、正式名称や役割を記述させる問題
- 略称と日本語名・役割を組み合わせる選択問題
- 時事ニュースの文章中に略称が登場し、その内容理解を問う長文問題・資料問題
したがって、「UNICEF=国連の子ども支援の組織」「WTO=貿易のルールを決める場所」など、イメージとセットで覚えることが、得点アップのカギになります。
略称を効率よく覚えるための学習法
アルファベット略称は、どうしても「暗記もの」になりがちです。ただし、工夫次第で記憶に残りやすく、応用も利く知識に変えることができます。
ランク別に優先順位をつけて覚える
このページでは、出題頻度や重要度にもとづき、略称を次の3つのランクに分けています。
- ランクA:入試での出題頻度が非常に高い最重要語。
略称・日本語名・役割まで説明できるレベルを目標にしましょう。 - ランクB:出題されることが多く、特に時事問題や資料問題で狙われやすい語。
略称と役割のキーワードを押さえることが大切です。 - ランクC:頻度はやや下がるものの、難関校や最新の時事問題で出題されやすい語。
余裕があればセットで確認しておきましょう。
略称+漢字名+「一言でいうと」をセットにする
暗記の際は、ノートやカードに次の3点をセットで書いて整理すると、理解が深まりやすくなります。
- アルファベット略称(例:UNESCO)
- 日本語名・正式名称(例:国連教育科学文化機関)
- 「一言でいうと?」という要約(例:世界の教育・文化・遺産を守る組織)
「略称を見た瞬間に、どんなニュースやどんな写真とセットで思い出せるか?」
という視点で覚えると、長期記憶に残りやすくなります。
よく検索される略称だけ先に確認(まずは10語)
検索直後に「その場で答えが出る」ように、まずは頻出の略称を略称+日本語名(正式名称)+一言でいうとで10語だけ先にまとめます。
| 略称 | 日本語名(正式名称) | 一言でいうと |
|---|---|---|
| UN | 国際連合(国連)/United Nations | 世界の国が集まり、平和・安全や国際協力を進める国際機関 |
| NGO | 非政府組織/Non-governmental organization | 政府ではない民間の団体が、人権・環境・貧困などに取り組む |
| LDC | 後発開発途上国(最貧国)/Least Developed Countries | 発展途上国の中でも、特に開発が遅れている国々 |
| APEC | アジア太平洋経済協力会議/Asia-Pacific Economic Cooperation | アジア太平洋地域で、貿易や経済の協力を進める枠組み |
| ODA | 政府開発援助/Official Development Assistance | 発展途上国の開発や福祉のために行う政府の援助 |
| GDP | 国内総生産/Gross Domestic Product | 一定期間に国内で生み出されたモノ・サービスの“付加価値”の合計 |
| UNICEF | 国連児童基金/United Nations Children’s Fund | 子どもの命・健康・教育などを支える国連の組織 |
| UNHCR | 国連難民高等弁務官事務所/Office of the United Nations High Commissioner for Refugees | 紛争などで国を追われた難民を守り、支援する国連の機関 |
| UNEP | 国連環境計画/United Nations Environment Programme | 地球環境の保全を進める国連の機関 |
| WTO | 世界貿易機関/World Trade Organization | 貿易のルールを整え、国どうしの争いを減らすための国際機関 |
UN系の見分け方(超重要)
- UN+何かなら「国連関係の組織」の合図(例:UNICEF=子ども、UNHCR=難民、UNEP=環境)
- テストは「略称→日本語名」だけでなく、役割(何をする?)まで問われやすい
混同しやすい用語のミニ解説
UN(国連)とは?(何をする組織か/テストでの問われ方)
一言でいうと:世界の国が集まり、平和と安全、国際協力を進めるための国際機関。
テストでの問われ方:「国連のはたらき」や「国連の主要なしくみ(総会・安全保障理事会など)」が定番。PKOなど、国連の活動名がセットで出ることもあります。
覚え方のコツ:U=United(連合)/N=Nations(国々)。「国の“連合”=国際連合」と結びつける。
NGOとは?NPOとの違い(中学受験で必要な範囲に限定)
一言でいうと:NGOは政府ではない民間の団体(人権・環境・貧困・国際協力など)。
テストでの問われ方:「政府(国)ではないのに、国際問題の現場で活動する団体」として登場しやすい。国際協力(ODAとセット)の文脈で出ることも。
覚え方のコツ:NGO=Governmentが“No(ない)”と覚える。※NPOは「非営利(利益目的ではない)」を表す言い方で、国内の団体にも広く使われます。
発展途上国の英語略は何がある?(LDCなど、出題されやすい言い方とセットで)
一言でいうと:発展途上国は英語でdeveloping country(ies)。その中でも特に開発が遅れた国々をLDC(後発開発途上国/最貧国)と呼びます。
テストでの問われ方:「LDC=最貧国」は頻出。「発展途上国への支援(ODA)」とセットで資料問題に出やすい。
覚え方のコツ:LDC=Least Developed Countries。「いちばん(Least)開発(Developed)が遅い国々」と分解して覚える。
3文字略語の覚え方(“語頭で意味を推測する”コツを短く、例つき)
一言でいうと:3文字略語は最初の1文字(または2文字)で“ジャンル当て”すると覚えやすい。
テストでの問われ方:略称だけが先に出て、正式名称/役割/関係する分野を選ばせる形式が多い。
- O=Organization(機関)が入りやすい:WTO(World Trade Organization)
- D=Development(開発)が入ると「開発・援助」系が多い:ODA(Official Development Assistance)
- GP(Gross Product)が入ると「経済の大きさ」系:GDP(Gross Domestic Product)
- UN+何かは国連ファミリー:UNICEF/UNHCR/UNEP など
頻出アルファベット略称一覧
ここからは、中学受験社会で押さえておきたいアルファベット略称を、分野ごと・ランクごとに整理して紹介します。
国連など(国際機関)
ランクA
UNESCO(ユネスコ) – 国連教育科学文化機関。世界中の教育、科学、文化に関する大切な仕事をしています。
ユネスコは、文化遺産の保存、教育の向上、そして異なる国と文化の理解を促進しています。
UNICEF(ユニセフ) – 国際児童基金。子どもたちの権利と幸福を守り、支援するための組織です。
貧しい子どもたちや、災害で困っている子どもたちに医療・食料・教育などの援助を提供しています。
WTO – 世界貿易機関。異なる国々が商品を貿易する際のルールを作る組織で、貿易を公平に行う手助けをします。
WHO – 世界保健機関。私たちの健康を守るために働く組織で、病気の予防や医療の向上に取り組んでいます。
IOC(国際オリンピック委員会) – 2022年度入試限定。オリンピックに関する大会の組織です。
世界中のアスリートが競技するオリンピックを主催し、その運営やルール作りを行います。
ランクB
UNHCR – 国連難民高等弁務官事務所。紛争や災害から逃れる人々、難民たちを助け、安全な場所と支援を提供します。
UNEP – 国連環境計画。私たちの地球環境を保護し、持続可能な社会に向けた取り組みや提案を行います。
PKO(国連平和維持活動) – 国際的な紛争や戦争の終結後、平和を維持し、安定をもたらすために派遣される国連の部隊です。
IAEA – 国際原子力機関。原子力の平和利用と核兵器の拡散防止に取り組む組織です。
WFP – 世界食糧計画。飢えに苦しむ人々に食料を提供し、栄養不足を解消するために活動しています。
ランクC
ILO – 国際労働機関。労働者の権利を守り、働きやすい環境を作るために働く組織です。
IMF – 国際通貨基金。国際的な経済の安定と協力を支援し、金融危機の予防に取り組みます。
UNCTAD – 国連貿易開発会議。発展途上国の経済成長を促進し、国際貿易の公平性を確保するために活動します。

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組織・連合など
ランクA
EU(ヨーロッパ連合) – ヨーロッパの多くの国が結集し、経済的な協力と平和を促進する組織です。共通通貨ユーロや人や物の自由な移動なども特徴です。
ASEAN(東南アジア諸国連合) – 東南アジアの国々が連携し、経済的な協力や平和の維持に取り組む組織です。
BRICS – ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国の5つの国が結集し、経済成長を目指すグループです。新興国として世界経済への影響力を高めています。
NGO(非政府組織) – 政府ではなく、市民が立ち上げた組織で、環境・人権・貧困など、さまざまな社会的な問題に取り組みます。
ランクB
G7 – カナダ、ドイツ、日本、イギリス、イタリア、アメリカ、フランスの7つの先進国が集まり、経済的な協力や政策調整を行います。
OECD – 経済協力開発機構。経済政策や国際協力に関する情報を提供し、国々が連携して問題を解決する手助けをします。
APEC(アジア太平洋経済協力会議) – アジア太平洋地域の国々が経済的な協力と貿易促進を目指す会議体です。
ランクC
G20 – G7に、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、韓国、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、欧州連合、欧州中央銀行を加えた20か国と地域が、世界経済の問題を協議します。
NPO(非営利組織) – 利益を追求するのではなく、社会的な問題の解決を目的とする組織です。
OPEC – 石油輸出国機構。石油の価格と供給を調整する国際的な組織です。
NIES(新興工業経済地域) – 新興国として急成長している経済地域を指します。代表例として、韓国、台湾、香港、シンガポールなどが挙げられます。

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条約・協定など
ランクA
FTA(自由貿易協定) – 2つの国や地域が貿易を促進し、関税を削減する協定です。
EPA(経済連携協定) – 2019年にEUと、2020年にイギリスと発効した、貿易と経済協力の協定です。FTAよりも広く、人の移動やサービスなども含めて連携を深めます。
NAFTA(北米自由貿易協定) – 北米のアメリカ、カナダ、メキシコ間で貿易を自由化する協定です。
TPP(環太平洋パートナーシップ協定) – 太平洋地域の国々が、貿易と経済協力を推進するために結んだ協定です。
ランクB
COP21 – 気候変動枠組条約第21回締約国会議(パリ協定)。
地球温暖化をおさえるための国際的な温室効果ガス削減の枠組みを決めた会議です。
NPT(核拡散防止条約) – 核兵器の拡散を防ぐための国際協定です。核兵器を持つ国を増やさないことを目的としています。
CTBT(包括的核実験禁止条約) – 核実験を禁止するための国際協定です。
INF全廃条約 – 中距離核戦力全廃条約。アメリカとソ連(当時)が、中距離の核兵器を削減・廃棄することで合意した条約です。
USMCA(アメリカ合衆国・メキシコ・カナダ協定) – 2018年にNAFTAを見直して締結された貿易協定で、北米地域の新しい自由貿易の枠組みです。
RCEP – 地域的な包括的経済連携。アジア太平洋地域の15か国が自由貿易を進める構想で、世界の人口・GDPの約3割をカバーします。
その他の重要略称
ランクA
ODA(政府開発援助) – 発展途上国に対する援助と支援を提供する政府のプログラムです。
お金だけでなく、技術者の派遣などを通して、相手国の自立や発展を助けます。
GHQ(連合国軍総司令部) – 第二次世界大戦後、日本を占領・管理した連合国の組織です。
日本国憲法の制定や農地改革など、多くの改革を主導しました。
ICT(情報通信技術) – コンピューターやインターネット、通信技術などを含む、情報のやり取りに関する技術の総称です。
AI(人工知能) – 機械が人間のように学習し、問題を解決する技術です。自動運転や画像認識など、さまざまな分野で利用されています。
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) – インターネット上で友達や他の人とつながり、情報を共有するためのサービスです。例:X(旧Twitter)、Instagramなど。
EV(電気自動車) – ガソリンではなく電気を使って動く自動車のことです。環境負荷を減らす乗り物として注目されています。
IoT(モノのインターネット) – 家電などの商品をインターネットに接続して、リモートで制御やデータ収集ができるようにする技術です。
LCC(格安航空会社) – 安い航空運賃で飛行する航空会社のことです。サービスを簡素にして料金を下げています。
LGBT(性的少数者の総称) – レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなど、多様な性的指向や性自認をもつ人々の総称です。
SDGs(持続可能な開発目標) – 国際的な開発目標で、貧困削減や環境保護など、世界の問題に取り組むための17の目標からなります。
COVID-19(新型コロナウィルス感染症) – 世界中で大流行したウイルスによる感染症です。
手洗いやマスク着用などの感染対策が重要視されました。
ランクB
GDP(国内総生産) – ある国で一年間に作られたすべての商品とサービスの価値を合計したものです。
国の経済力や活気を表す大切な数字で、国内で作られたものだけを対象とします。
GNP(国民総生産) – ある国の国民(国内と外国に住むその国の人々)が一年間に作ったすべての商品とサービスの価値を合計したものです。
国内外を問わず、国民が作ったものを含みます。
PL法(製造物責任法) – 製造された製品が安全であることを保証する法律です。
商品を作る企業は、製品が安全でない場合に損害賠償などの責任を負う必要があります。
この法律は、製品の品質を高め、消費者を保護するために存在します。

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まとめ
アルファベットの略称は、略称そのものだけでなく、意味・役割・関連する分野までセットで理解しておくことが重要です。
- 略称・漢字名・「一言でいうと」をセットで覚える
- ランクAから優先的に、何度も声に出して確認する
- ニュースや時事問題と結びつけて、「どの場面で登場する言葉か」を意識する
- できれば、設立された経緯や関連する人物・時代背景も説明できるようにしておく
単に単語を覚えるだけではなく、それらが設立された経緯や関連する人物・時代背景なども説明できるようになると、より理解が深まります。
日々のニュースに耳を傾け、日本だけでなく世界情勢にも目を向けておくことで、入試本番の時事問題にも強くなります。
体系的に学びたい場合は、本ページ内で紹介した各種講座(記述対策・地理・歴史・公民)も、ぜひ合わせてご活用ください。


